淀みの淵へ誘う月夜

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題名:淀みの淵へ誘う月夜
形式:A6サイズ、112ページ(約48,000文字)
頒布:2021年3月20日 夜明けの花を君に
作者:姫川

kmtの伊アオ 原作軸、R18G、SM系です。

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完売しました。
再頒布予定はありません。

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–姫川のサンプル–(システム上字下げ効果なし)
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ぱんっ! とひどく乾いた音がしてそれほど大きくない小屋の中に響いた。月明かりも届かない窓ひとつない部屋。あばら家というには手を加えられ、人が住むには朽ちている、そんな場所だ。
「夜は長いから楽しみね」
アオイはそう言いながら石油灯の傍に置いてある竹の物差しを手に取る。向かい合うように歩を進めれば、翡翠がじっとその様子を見つめていた。頬は先ほどアオイの手によって打たれ、赤くなっている。だが彼にそれを気にしている素振りは見られなかった。
「なぁアオイ」
「なんですか、伊之助さん」
まるで蝶屋敷の厨で野菜を切っているときのような声を出しながら、アオイは手に持つ物差しを自身の手のひらへと何度か確かめるように叩く。
「……名前、言いたかっただけ」
伊之助が笑うので、アオイもふんわりと笑った。
「イイコト、しましょ」
そうして小屋の中には人の肌を打つ音が連続して聞こえてきたのだった。
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