無遠慮な熱帯夜

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題名:無遠慮な熱帯夜
形式:A5サイズ、108ページ(約90,000文字)
頒布:2021年3月14日 日輪鬼譚13のペーパーに加筆したもの
作者:姫川あおい・挿絵ねむた氏

kmtの伊アオ 原作軸、R18、睡姦です。
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完売しました。
再頒布予定はありません。

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–姫川のサンプル–(システム上字下げ効果なし)
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あ、あっ、と遠くの方で声が聞こえる。甘ったるくて高い音だ。いったいどこから聞こえてくるのだろうと、まだ覚醒しない頭でアオイはぼうっと考えた。
女の声だ、とだんだん理解してくる。そう、女の声。だがそれは通常では聞こえてくるはずのない閨での喘ぎ。なぜアオイの耳がその音を拾うのか。眠気に支配された脳は、それをはっきりと疑問に持つこともなかった。

夏の夜。寝苦しい熱帯夜が続きアオイは弱っていた。
意識をやっと手放した、と思ったらすぐに起床時間がやってくる。眠いのに寝付けない。アオイの目の下にははっきりとした隈ができ、三人娘にも心配されてしまう始末だった。

ん、ふぁっ……あっあぁっ……!
徐々に浮上してきた意識にアオイはその声が自分の部屋に響いているものだと気がついた。そう、快楽に溺れている女の声を出しているのはアオイ自身だ、と。
なぜ、どうして、覚めたアオイは混乱を始める。そういう関係を持つ異性がアオイにはいなかったし、蝶屋敷に忍び込んでくる暴漢にも心当たりはない。
いくらなんでも部屋に侵入されればアオイだって目が覚めるし、その辺の男どもには負けない自信もある。鬼は斬れなかったがアオイだって最終選別を切り抜けた鬼殺隊の隊士なのだ。市井の女子より身体能力は高い。
ではなぜアオイの口から喘ぎ声が聞こえるのか。小説などで見知っているだけの声を、経験もないはずのアオイが漏らしているのか。
だが相手を探ろうにもアオイの瞼は閉ざされたまま、手も足もアオイの意思を無視してぴくりとも動かない。鉛のような体に反して、意識と喉だけが動いていた。

夢か。そう、きっと夢なのだ。
そういうことに耳年増となってしまった自分が、頭の中の妄想を現実的に見せているだけの幻だ。そうに違いない。ということは自分の性欲は強い方なのだろうか。今まではさほど興味もなかったはずなのにと、またアオイは別の問題にぶつかった。
だれかの指がアオイの肌を滑るたび、ぞわりとした快感に襲われる。開きっぱなしのくちびるはその都度女の悦びを見知らぬだれかに伝えていた。

アオイは四肢を投げ出しながらその快楽を受けつつ、襲ってきた眠気に誘われゆっくりと意識を沈めていった。

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